第5章 歪みに飲まれる愛

「…褒めてねぇな、ソレ。
どうせ力任せのゴリラとか
言ったんだべ？
オボエテロよクソ川」

尖過ぎる岩ちゃんの眼光は
洒落じゃねぇぞ、って言ってる
しかも…それだけじゃない。

「チョット！姫凪ちゃん
余計な事思い出さないで！
及川さんが苛められる～！」

『それは別に…』

「ヒドイね！！
及川さんのカッコイイ顔が
このパワーゴリラに
グチャグチャにされても良いの！？」

『あ、はい…
むしろ…顔が変わってしまった方が
その軽い性格が少しはマシになるよーな…』

苛められる方がまだマシだよ、バカ。
好きな子からサクサクdisられるのは
精神的にカナリきついんですけど…

でも、まぁ。

「…及川、オマエ…
なんか可哀想だな。
ボコボコにするのは
延期してやる…」

「延期かよ…普通中止って
言う所だよ、それは」

『…本当に仲良しですね
行くの正直イヤだったけど
岩泉さんと一緒なら、大丈夫…かな』

少し和んだ空間は
傷付いただけの価値はある…のかな？
無理くり納得して
三人で俺の部屋に向かう