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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


そして、迎えに来ちゃったら
誰よりも気を遣うキミは

「すぐ来るってさ」

『…すいません…』

もう帰れない、でしょ?

…我ながら狡猾だね、俺は。

気乗りなんか一ミリもしていない
姫凪ちゃんを
半ば強引に車に乗せ

「…岩ちゃん、この子は…」
『布施 姫凪、です。
今日は急にスイマセン…』

「…岩泉だ。
及川のワガママには慣れてるから
気にすんな
怪我したんだって?
診てはやれるけど
俺は医者じゃねぇからな
後で病院行けよ」

『はい、分かりました…』

軽い自己紹介を済ませて
走り出す

『会社から近いんですね』

「それを第一条件に探したからね」

「寝坊魔だからな、及川は」

「岩ちゃんが異様に
朝に強いだけじゃん!」

『…仲良いですね
そう言えば"岩ちゃん"って…』

俺達の会話を聞いてた
姫凪ちゃんがクスッと笑いをこぼす
お世辞にも良い空気と言えなかった
車内に少しだけ光が射しそうな気がしたのは

「俺の事知ってんのか?」

『アイロン…が上手だって
及川さんが…ブッフォッ』

気のせいかも知れない。
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