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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


離さなきゃイケナイって
脳みそは手へ指令を送ってるのに
どこで妨害されてるのか
俺の指は姫凪ちゃんの指を
絡め取ったまんま動かないから

「…手くらいで大袈裟だね…
本当にクロちゃんに仕込まれて
あんな声出してた子と
同一人物なの?」

『いちいち蒸し返さないで…!
もうやだ!貸してください
研磨くんに合流して来ますから!』

姫凪ちゃんから勢いよく
離れて貰うしかなかった

空っぽになった寂しい両手で
もう一度ナナへ
電話を掛けるけど

「…こんな時に繋がらないとか
狙ってんの?バーカバーカ
…って、バカは俺か…」

冷える精肉コーナーを後にして
一旦店の外へ出て
タバコに火を付ける

白い煙がユックリと
空に消えて行くのを
ボンヤリ眺めてると

「黄昏が似合う事で」

後ろからクロちゃんの声

「早いね
もう買い物終わったのかい?」

「いや、研磨と姫凪は
まだ中でレジ並んでる
デカいのは頃合い見計らって
戻りますよ」
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