白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
ただ…
『ハンバーグなら大丈夫です
チーズも冷蔵庫にあったし
それにしましょうか
じゃあ、挽き肉買わないとですね』
「でっかいの作って
あ、唐揚げも良いね
姫凪ちゃん好きじゃなかった?
初めて飯食った時さ
ハムスターみたいに
ほお張って食べてたじゃん」
『ちょっと!
変な事思い出さないで下さい!
でも唐揚げ…良いですね』
初対面を思い出したらかな?
最初のあの警戒心バリバリからは
想像出来ないくらい
和らいだ空気が何だか嬉しくて
言えなかった
「でしょ?ほら、合い挽きと
もも肉買いに行こうよ
カゴかして?
持ってあげる」
『…材料分かってるじゃないですか…
それにカゴくらい自分で持てます』
「聞こえなーい
じゃあキミはこっちね?
ミニマムだから迷子になりそうだし
はい、手。」
浮かれてついつい、いつも
ナナにしてる様に
カゴを取り上げ空いた手を握る
『及川さん!
なにするの!?』
しまった。
またやっちゃった。
この子はクロちゃんの彼女で
俺の彼女じゃないのに
俺のバーカバーカ。