白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
泣きそうな顔をしながらも
クロちゃんの指に劣情を煽られて
表情がピュアな女の子から
オンナに変わっていく
姫凪ちゃん
俺が引き出せないこの顔を
アッサリ引き出すクロちゃんに
少しモヤモヤする
いや、当たり前なんだよ?
二人は付き合ってて
姫凪ちゃんは
クロちゃんにしか濡れないって
言い切る程の仲なんだし
でも、なんだろうね
「その顔…」
"クロちゃんにだけ"なんて
なんで言い切れる?
"俺だって"って思ってる自分が居る
今にも堕ちそうな姫凪ちゃんに
伸ばしかけた手が
「なにしてんの、クロ
こんな所で盛ってバカなの?
姫凪もチョロ過ぎる
欲求不満で
エッチがしたいのは分かるけど
おれの睡眠時間削るの承知で
誘って来たんなら
我慢しなよね、聞いてるの?」
冷え冷えする様な声で遮られた
『け、研磨くん!?
声大きい!別に欲求不満なんて!』
「だよね?
ランチにクロと姫凪だけ
来なかったって赤葦が怪しんでたから
どうせヤッてたんでしょ?」
淡々と話す孤爪に
姫凪ちゃんの顔からは
色気が消えて行く