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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「まぁな!姫凪に手ぇ出さなかったら
俺はどうでも良い
…コイツは俺のだから」

『トモノリ…!』

別れようって言った
もう私は彼女じゃない
好きでもないくせに…!

「なぁに?姫凪
(大人しくしてろよ
黒尾の前で犯されてぇの?
優しくしてる内に言う事聞いとけよ)」

なんで…解放してくれないの?
ゲームは終わったんじゃない…の?

低く響いた言葉に
身体も喉も動かない

「トモノリ…ね。
仲良くやってんだなァ
…良かったな、姫凪ちゃん!」

クロの声にも応えられない

誰の言葉も声も
頭にはウソで塗り固められてるみたいに
聞こえて

『…(もう、ヤダ…)』

消えそうな声だけ零し
俯くしかなかった

クロが去って行く気配がして
身体はトモノリに抱かれ
裏道に連れて行かれる

「姫凪ごめん。
聞いてたんだろ?さっき。」

壁に押し付けられた身体
冷たい感触が
心まで冷やしていく

『…もう、良いですから
離して…別れて下さい』

優しい声に
楽しかった想い出に流されないように
歯を食いしばり
トモノリに告げる
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