白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
え?何言ってるの?
「携帯落としてさ
連絡出来なかったんだ
ごめんな?お泊り誘っといて
遅刻とか最低だよな…
お弁当も作って来てくれたのに…
謝るから今から楽しもうぜ?
ホテル…行こう?」
頭の中が整理出来ないのは私だけで
「あぁ…ただの痴話喧嘩…デスカ」
クロは苦い顔をして笑って
「…そりゃもう相談は要らねぇ、よな…」
小さく小さく呟く
違う、誤解…!
そう叫ぼうとした声を止める
『チョット待っ…!?』
「そーそー。
黒尾もオンナ居るのに姫凪に
構い過ぎな~
あっちもこっちも食い散らかして
本気になったオンナ弄ぶクセ
直ってねぇの?」
トモノリの声
ウソ。
クロはそんな事する人じゃないよね?
トモノリみたいに女の子の気持ちで
ゲームみたいな事する人じゃないよね?
てっきり全力の否定が帰って来ると
信じてたのに
「…放っといてクダサイ
俺が誰とナニしようと勝手だろ?」
返ってきたのは
否定でも肯定でもない
曖昧な言葉
そんなセリフ聞きたくなかったよ
なんて、そんなの
私の勝手な希望だったのかな…。
男の人なんてヤッパリ皆一緒…なの?