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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


「やっぱりだ
チョコ付いてる
姫凪ちゃん、そっちにある
ウェットティッシュ取るから
ジッとしててな」

『チョコ…?』

近付いた顔が私の頬の横を
通り過ぎて行き

閉じかけてた目がパチリと開く
こ、れは……恥ずかし過ぎる!!
私ホントにどうしちゃったのよ!

「お腹空いてたんですかァ?
また飯食えなかったのか?
俺らの前ではバクバク食うくせに」

ブヒャヒャと笑いながら
ウェットティッシュを引き抜き

「この後ヒマなら飯行く?
この前食べたがってた
パスタの店とか…」

私の唇に優しく触れた

『あ、ぅ…』

ヒヤリと濡れた感覚に
ゾワゾワと粟立つ肌

「ん?冷たかったか?
もうチョイ我慢しなさいよ
優しく拭かねぇと荒れそう…」

冷たいから?
多分それじゃない
私の唇に視線を落とすクロの顔に

『クロ…私…』

ドキドキが止まらない

「ん?」

パチリと合った視線
達しそうになるピークから

『きょ、今日は止めとく!
私、先輩の所に忘れ物したから
帰るね!!』

強引に意識を外して
クロと距離を取った
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