白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「え?まじ…か。
その後は?
またアイツと居る感じ?」
『…多分…』
ウソ…だよ
忘れ物…なんかない
このまま居たら私は…
「デスヨネ
彼氏はアイツだもんなァ」
『うん』
自分で自分が分からなくなっちゃうよ
私は先輩が好きなんだよね?
先輩と先に進みたいから
クロに相談に乗ってもらってるのに
クロも私と先輩を応援してくれてるのに
こんな気持ちオカシイよね
「コーヒー残ってる
飲んでいけば?」
『そ、うだね』
本当はもっと居たいなんて
「帰るなって言ったら…困る?」
本当は帰りたくない、なんて
「…冗談!
ほら、まだチョコ残ってますよ?
よかったら俺の分も食ってけ
痩せ過ぎ!」
言えないよ。
『それは胸が…デスカ?』
「うん…って!そんな所見てねえし!」
『うん、って言った…即答だった…
クロもヤッパリ巨乳好き…』
「ヤッパリってなんだ!
俺は別に…大きさより誰の胸か…で…」
いつも通りバカな話して
笑ってバイバイをしないと
次が失くなっちゃう気がして
『クロの彼女は幸せだね!
…ごちそうさまでした!』
必死に笑顔を作って部屋を出た