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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


髪を撫でる手
研磨くんの手なのに
脳はクロに変換してしまって
身体の奥がソワソワして来る

『止め…て…よ』

「なんで?
もっと、って思ってるくせに」

そう、いつもクロに触れられると
もっとって気持ちに…
なっちゃダメじゃん!

私ってば、何考えてるの!?

『いや、私には先輩が…』

「ふーん?まだ言うんだ…
その先輩には
こんな気持ちにならないくせに」

ズバズバと吐き出される
見透かした様な言葉に心は揺さぶられ
最悪感と自分に対する嫌悪感で
鼻の奥が痛くなって来る

溢れそうな涙を
かろうじて睫毛の手前で堪えていると

「おまた…せ!?!
ぅおい!研磨!なんて事してんですかァ!?
姫凪ちゃん泣いてんじゃん!!」

コーヒーとお菓子を持ったクロが
帰って来てしまった

「ヤバ…見つかっちゃった…
クロ帰ってくるの早過ぎ
空気読んでよね
口説き損ねたじゃん」

「口説くな!バカ研磨!
とりあえず出てけ!
反省して来なさい!!」

「うん、そうする。
テキトーに頭冷やして来る」
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