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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


今、食べたよね?
私の唇に付いてたご飯粒を
ヒョイッて取ってパクンッて!
こんな事なんでサラッと出来るの!?

熱くなる顔
停止寸前の思考回路は
過去との小さな一致だけを
ピカピカと光らせる

ヤッパリ似てる
懐かしくて擽ったい
鉄朗との日々と…

状況も相手も全然違うのに
記憶に引っ張られ混乱して

過去の自分に戻って行く


「姫凪ちゃん
顔暗いぞー?」

『クロ…分かる?
また…ダメだったよ
なんでだろ…好きなのに…
先輩は大丈夫って言ってくれるけど
そろそろ愛想尽かされそう…』

そう。
クロに相談する事、数回
私はまだ先輩と先に進めずに居て

「だからって
こっちに入り浸るってナニ?
おれの部屋が溜まり場みたいに
なってるじゃん」

失敗してはクロと研磨くんの家に押し掛ける
そんな日々が続いていた

『毎回お望み通りの献上品
持って来てるじゃん!
悩み聞いてよー!』

「クロの家に行けば良いのに…
もうおれ居なくても
普通に喋れるでしょ」

『え…そ、それは…』

研磨くんの言葉に
ザワザワと心が騒ぐ
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