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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第3章 消せない昔、消えない今(前)


及川さんの声に一瞬不機嫌はピークに
なったものの
身体を離した鉄朗は
いつもの優しい顔に戻って
私にキスを落とし

「いってきまーす」

自分の服を直し
会議室を出て行った

『私も服…直さなきゃ…』

こんな姿を誰かに見られたら
どうにもこうにも
言い訳なんか出来ないし

で、も…

『どうしよ…腰が…』

足も腰も鉄朗の余韻でイッパイで
力が全く入ってくれない
もし、誰か入って来たら…
そう思って焦れば焦る程
クタクタの身体は力を戻すキッカケを
失ってしまう
そんな私の耳に

「ヤッパリ…。
全く、何してるのさ?
襲ってくれって言ってるのかい?」

及川さんの呆れた声
絶望の鐘が打ち鳴らされた様な感覚に

『こ、こっち来ないで
見ないで…!スグ出ますか…んぐっっ!!』

張り上げかけた声が
大きな手で塞がれる

こわごわ及川さんの顔を見ると
思った以上に普通…って言うより
全くいつもと変わらない

「シーッ。
クロちゃんに聞かれたら誤解される
ほら、とりあえずこれ羽織って
その目に毒なカッコ隠しなよ」
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