白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
”縁起でもない”と
頬を膨らまし
二杯目を強請る私に頷き
立ち上がったクロが
「…そんな心配すんな
オイカーくんはアレだ
…脈アリだよ。
俺が言うんだから
間違いない」
ニヤリと笑って言葉を落とす
『脈…アリ!?』
それって
私の事…及川さんが…!?
まさか、まさかだよね?
でも…クロがそう言う…し
って、事は…つまり…!!
「嬉しそうな顔すんなァ!
あー!くそッ!
めちゃくちゃ濃く作って
お持ち帰りしてやろうかな!」
『ちょ、止めて!
帰る!帰して!
なんか居ても立っても居られない!』
ガタンと席を立つと
「ったく。
そんな顔されちゃ
引き止めらんねぇよな…
送らねぇから
タクシー拾って帰れよ?」
『う、うん…』
「頑張れよ、姫凪」
クロが私のカバンを差し出し
優しく微笑み
「振られたら
真っ先に連絡クダサイ」
いつもの悪い顔に戻って
背中を押した