白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
クロに嫌いな所なんか
一つもない
私の過ちでさえ
受け止めてくれようとした
甘えてもきっと
何事もなかったみたいに
私との幸せを約束してくれただろう
でも、私は
それを選ばなかった…
クロに申し訳ないって気持ちが
その理由の全てじゃない
それならきっと
クロは退かない
意地でも私の側を
離れなかったと思う…
離れた理由は…ただ一つ
「姫凪、少し飲むか?
木兎じゃなくて
俺が作ったから
アルコールは低いぞ」
『…んー…どうしよ
お酒苦手だし…』
「たまには飲め!
酒の力でも何でも借りて
お前も前に進まねぇと!
ずっとオイカーくんと
進めねぇぞー?」
私の心の中に
及川さんが居る…から。
だから、クロは
『…うん、じゃあ…少しだけ』
「珍しく素直!
そんなに悩んでんのか?
オイカーくんとのこと」
私の背中を押す方を
選んでくれたんだよね…
『悩んでるって言うか…
どう接して良いのか分からない…』