白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
鼻をくすぐる
食事の匂いに
意識がゆっくり戻ってくる
ただ、身体は学生の時もより
確実に眠りを貪りたくなってて
甘い匂いのする
クッションに再び身を預ける
女の子の香りは
元々好きな方だけど
姫凪ちゃんの香りは
更に好き。
もっともっと
近く濃く感じたい
夢現でそんな事を考えてる
俺の鼻腔を
大好きな香りが擽った
『及川さん、起きて
ご飯出来ましたよ?』
匂いより甘く感じる声
これは…夢?に決まってるよね。
姫凪ちゃんが
寝てる俺の近くに居るわけないし
なら、もう少し
「…ん、起きたくない…」
寝ていたい。
『え、でも…ご飯冷めちゃう…』
「あと五分ー」
嫌だよ。
その甘い声をもっと聞きたい。
起きちゃったら
目の前に岩ちゃんが
仁王立ちしてるんだ
そうに決まってる
甘い香りが
男くさい匂いに変わるまで
甘い声が
低く凄みのある声に変わるまで
「もうちょっと…だけ…」
あと少しだけ
堪能させてよ。