白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
結構痛いはずなのに
姫凪ちゃんのあの
真っ赤な顔を思い出すと
そんなのそっちのけで
別の所に意識が集中してしまう
「俺ってこんなに忍耐なかったっけ…」
一緒に寝てるわけでもない
誘われたわけでもない
勝手に押しかけて
衝動で迫って
全部一方通行なのに
キミを欲する気持ちが
溜まった固まった
今にも弾けそうになってる
「我慢…我慢…が、ま…」
ソファーに乗っかった
柔らかいクッションを
抱き締めて深呼吸すると
姫凪ちゃんの匂いが
フワフワ香って来て
とっても気持ちよくなって来る
そういえば最近
ゆっくり寝てなかったもんな
ご飯が出来るまでなら
良い、よね…
姫凪ちゃんの近くで
眠る事はヤバイって
身を以て知ったはずなのに
そんな事、遠くに追いやる程
キミの香りは心地よくて
疲れも憂いも
全部溶けてしまいそうな感覚になる
幸せに包まれた気になって
俺は浅い眠りに誘われていった