白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
「飯も身体も食うだろ、オマエなら」
「むしろ、飯そっちのけで
身体だけ食い散らかしそう…」
酷い、酷過ぎる!
「しないよ!そんな事!
もう良い!行ってきます!」
「ゴム持ってけよー」
「箱で」
「うるさい!」
からかう二人を睨み付け
ドタドタと部屋を出る
「食い散らかして良いなら
とっくに食い尽くしてるさ
…でもあの子だけは違うんだ」
呟きは薄暗い空に呟くと
白い息は空の黒と混ざり合って消える
俺の欲望も
この息みたいに
闇にまぎれて
見えなくなっちゃえば良いのに
…なんてね。
紛れても紛れなくても
抑え込むしかない。
姫凪ちゃんを
もう傷付けるわけにはいかない
グッと背を正し
スーパーで適当に
材料を買い込み
[もうすぐそっちに着くよ]
LINEを送る
すぐ付く既読と
返ってくるスタンプに微笑んで
早足で道を歩く
紳士モードの
シュミレーションはバッチリだ!