白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
背中を向けて歩き出すけど
約束を交わす二人が
やっぱり気になって
振り返ると
姫凪ちゃんは
真っ赤な顔をして
クロちゃんを見送って
給湯室に入っていく
追い掛けて
約束ごと
キミのクロちゃんへの想いを
捻り潰してやりたい
…なんて、ね。
そんな事したって
嫌われるだけだ。
キミに嫌われたくない
無理矢理に奪おうとするなんて
あの時から
何も進歩もしてないじゃないか。
好きになって貰いたい
どんな我慢をしても
キミの望む様な
男になって…
「覗き見ですかァ?」
越えてやる。
この男を。
「見られたくなかったら
コソコソするんだね
別れてからの方が
堂々としてるんじゃない?」
「俺と姫凪は
友達ですからねェ〜
仲良くしてて当然だろ?」
友達。
そう思ってるのは
吹っ切れてるのは
キミだけで
姫凪ちゃんはまだ…
「…あっそ」
きっとキミの事を…。