第7章 新たな幕開け

取られた距離も

「元気なかったみたいだから
気になってたけど
大丈夫みたいだな
…なんかあったら言えよ？
研磨ほどじゃないけど
上手く動ける…とは、思う」

慣れた手つきで撫でる頭も

『…ありがとう
クロは優しいね』

素直なキミの顔も

全部全部
憎らしくなってくるよ

それ以上に

「今更かよ！
まぁ、俺が優しいのは
お前にだけだけどなァ…！」

『え～…受付の子とか
総務の子とかにも
ガッツリ優しいくせに～…』

キミに欲されたくて
堪らなくなってくる

クロちゃんに意地悪く笑う顔も

「どこが！？
オマエの目は節穴ですかァ！？
及川くんよりゃモテねぇって」

『…及川さん、ね』

「…ったく！
そんな顔しないでクダサイ！
今日は久々に仕事終わり
予定ないから
飯食いに行こうぜ？」

離れたくせに
すぐ近くなる距離も
羨ましくて…堪らない。

その隣が俺ならと
思わずには居られなくて
見てられない。