白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
昔と一つも変わらない
太陽みたいな笑顔で
背中を叩く
『…分かった!
今日の夕食は私が奢るから
…一緒に居て』
「その言い方、エロい…」
『クロ!!』
「ハハッ!かーわいっ!
(それで迫ればイチコロじゃね?)」
揶揄うクロを
真っ赤な顔で見送って
給湯室で舌を冷やす
迫る…とか。
一体どうしたら出来るのよ…
意識しちゃって
まともに会話も出来ないのに…
大きな溜息を吐き出し
まだヒリヒリする舌の上で
氷を転がす
でも出来ない、分からない、じゃ駄目だよね
動かないと…
幸せにならないと
背中を押してくれた
研磨くんにもクロにも
申し訳ないもん
パンパンと叩いた頬
少しずつ前を向く気持ち
でも、現実は残酷で
前を向いた私の目に映ったのは
アナタの遠い背中だけだった