白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
「姫凪ちゃん?どうしたの?」
『なにが!?』
「怖い顔してる
…大丈夫。
こう見えてメチャ紳士だよ?
及川さんは」
『え、あぁ…ソウデスカ…』
「うん、だから安心して
飲みたいだけ飲んだら良いよ
ほら、行こう」
クスリと笑みをこぼし
前を歩く
…なんだ、今は手繋いでこないのか…って!
本当私ったらどうしちゃったの!?
別に良いのに
さっきはあんな態度取ったのに
お酒のせい…かな
それとも少し冷え込む
夜風のせい?
「姫凪ちゃーん?
早くしないと買ってあげないよー?」
『待って!すぐ行きます!!』
うん、そうに決まってる
私が及川さんを、なんて
そんな事あるわけないんだから!
繋がらない手と手を
気にしない様に
ショルダーバッグの紐を
ギュッと握って
及川さんの横に立つ
「どれが飲みたい?
おつまみも少し買おうか?
姫凪ちゃん
さっきの店であんまり食べてなかったから
軽食でも良いけど…」