第1章 始まりのはじまり
「・・・あ!」
「どうした銀ちゃん?金玉でも落としたアルか?」
「神楽ちゃん!!女の子がそういうこと言っちゃダメでしょ!!…んで、どうしたんですか?」
手応えのなかった依頼を終えた帰り道。
銀時がふと足を止めた。
「報酬がすくねぇ」
「えぇ!?今気づくんですか?!ちょっと遅くないですか?!」
銀時はクルリと踵を返して、新八の容赦のないツッコミを背中で受け流す。
「やっぱ前払いにしとけばよかったなぁ」
ポリポリと面倒くさそうに頭をかく銀時の表情は万事屋の従業員には読み取れない。
「んじゃさっさと取りに行ってくるネ!」
「僕も一緒に行きましょうか?」
「ん~~~」
頭を掻いていた手を今度はヒラヒラさせて
「じゃ、今日はここで解散!ちゃんと歯磨いて寝ろよ~」
と夕陽が照らす繁華街へと消えていった。