• テキストサイズ

[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第18章 人助け2/ジン


予想どおり、休憩時間に携帯を開くとウォッカから着信が来ていた。

携帯を手に更衣室の奥にある非常階段の扉を開ける。周りに人がいないことを確認してリダイヤルボタンを押した。

「もしもし、ウォッカ?」
『ああさくらさん、大変なんです兄貴が!』
てっきり起きた兄貴が煙草を吸っちまいました、とでも言うのかと思っていたが、ウォッカが告げた言葉は衝撃の内容だった。



◻︎



「熱が下がらないって本当!?」
引き継ぎもそこそこに病院を飛び出す。
敗血症か、それとも他の原因か、いずれにしろと状態は良くないはずだ。早く処置しないと。勢いよく寝室のドアを開けた。

夕日の差し込むやや薄暗い私の寝室。
荒い呼吸を繰り返すジンがそこにいた。
「さっきから呼びかけても反応がなくて…!」
シーツから伸びる左腕を取る。発熱していて脈も早い。
「抗生剤、効かなかったのかな…本当は点滴で血中濃度を上げるのが一番いいんだけど病院から針なんて持ち出せないし…」

そう呟きながらあることを思い出した。
「ね、ウォッカ、組織の傘下に製薬会社があるんだっけ?APTX4869を作ってるとこ。そこに言って注射器と抗生物質分けてもらえないかな?」
「!もらえるはずです、すぐ行ってきます。1時間もあれば戻れますから!」
「あともしあったら消毒液も!出来るだけいっぱいお願い!」
「了解です!」

バタバタと派手な音を立ててウォッカは部屋を出て行った。
その背を見送って、ぐっとジンの左手を握り締めた。

「絶対、助けるから。」
/ 239ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp