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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第18章 人助け2/ジン


「もう二度とこんな闇医者紛いのことしたくないんだけど。」
「紛いじゃなくて完全に闇だろ?」
「誰のせいだと思ってんのよ、病院に行けないような怪我して来ないでくれる?ウォッカも!他人事のような顔しない!」
「え、えぇ、あっしは今回関係ないんじゃ…。」
「今後一切組織絡みの治療はしません!」
「おいおい、それじゃ安心して怪我出来ねえじゃねえか。」
「…っ!だ・か・ら!怪我すんなって言ってんの!!」
飄々とした態度で煙を燻らすジンのことが頭に来て、ダンダンと机を叩いてみたが自分の拳が痛くなっただけだった。
そんな私とジンを交互に見やってやや焦った様子のウォッカに少しだけ申し訳なさを感じた。




あの日、ウォッカが大急ぎで抗生剤と注射器を貰って来てくれて、奇跡的にジンは後遺症もなく回復することができた。
まさか設備も何もない、自宅のベッドの上で普通の縫針を使って傷口を縫合することになろうとは夢にも思わなかった。
それをジンに愚痴ると、貴重な体験が出来ただろ?とあのニヒルな笑みで返された。

ここまで丸々1ヶ月。ジンが本調子になるまでウォッカもうちに泊まり込んでいた。毎日彼は料理を作り、部屋を掃除し、家事全般を担ってくれたのだ。

「あーあ、ウォッカのご飯食べれなくなるのが残念。」
「いつでも作りに来ますぜ。」
「本当?嬉しい、じゃあいいお酒用意しとくよ。」
「楽しみにしてます。じゃ、あっしは先に車に荷物積んで来ますから。」
そう言うとウォッカは大きなスーツケースを2つ両手で引きずってエレベーターへと消え、部屋には私とジンが残された。
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