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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第18章 人助け2/ジン


キッチンから漂ってくる香ばしい匂いで目が覚めた。ぐっと伸びをする。ソファで寝たせいで体の節々が痛い。
時計を見るとぴったり6時を指していた。
トントントン、と軽快な包丁の音も聞こえる。この家には私とジンしかいなかったはず…まさかあの怪我で料理してるの?治るものも治らなくなるじゃない!
勢いよく立ち上がるとキッチンへ走った。

「おはようございます、そんなに急いでどうしました?」
キッチンに飛び込むと驚いた顔のウォッカと目があった。
そういえば、昨日来てくれるように頼んでいたっけ。

「ああごめん、何でもないの。…もしかしてそれ、朝食作ってくれてる?」
「すいやせん勝手にキッチン使っちまって。よかったら出勤前に食べて行ってください。トーストと簡単なスープとサラダしかないですけど。」
「嬉しい!ありがとう。でもウォッカが料理出来るとは意外だったな。」
とりあえず洗面所行ってくる、とキッチンを後にする。
それ前に兄貴にも言われやした、と背後から笑い声が返ってきた。

ウォッカの作ってくれたご飯は中々に美味しく、余った分お弁当に持って行ってもいいかな?と思わず口をついて出たほどだ。
あのスープのレシピは今度教えてもらわないと。



「じゃあ私行くけど、ジンがもし起きても煙草はまだ吸わせないでくれる?」
「無理だと思いますが…出来るだけ頑張ります。」
「はは、そうね。出来るだけよろしく。何かあったら携帯に電話ちょうだい。…あ、番号通知してよね?折り返し出来ないから。」
お気をつけて、と扉が閉まる直前に聞こえた。誰かに見送られることなんてここ最近無かったものだから、ウォッカとはいえ少しむず痒かった。
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