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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第2章 もがれた翼


「いいや、お前ら全員ついてこいや」

松岡の叔父貴が頭ごなしに命令した。

「叔父貴っ…」
「おめえ見てみろ…こいつら全員、命捨ててきてんぞ。その思い、無駄にすんな」

二宮と松本の顔をみると、張り詰めた顔をしていた。

「だから…そんな顔して親父の前行ったら、タマ取られるんじゃないかって勘違いすんだろうがよ…」
「組長っ…!」
「いいかてめえら…俺のやることに一切口だすんじゃねえぞ…?」
「はい…」

おとなしく二人とも玄関に上がってきた。
俺は三人を連れて、叔父貴と奥に進んだ。
畳張りの廊下は延々と屋敷の奥まで続いている。

奥に行くにつれて、暗く静けさが増していく。
一際広い座敷の前に、山口の叔父貴と国分の叔父貴が座っていた。

「来たのか…智…」
「はい…盃を割られるって聞いたもんですから…」
「そりゃあ…仕方ねえな…」

叔父貴達は目を合わせると、障子戸を静かに開けてくれた。

広い座敷の中央に布団が敷いてある。
その中央はこんもりと盛り上がっている。
布団の回りには、叔父貴達がひしめくように座っている。

俺を見ると、一様に顔を顰めた。

「ご無沙汰しております…」

膝をついてあいさつすると、そのまま布団際までにじり寄る。
布団には病み衰えた、細い老人が横たわっていた。

極東翼竜会喜多川一家総長 喜多川 擴…
俺の、極道の世界における親父だ。

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