• テキストサイズ

いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第22章 花いちもんめ✔



「…最低…」


 弱々しい声でそれだけ告げたかと思えば、ふいと顔を逸らす。
 蛍のその姿に、ぱちりと虹色の瞳を瞬いて今度は童磨がぽかんと呆気に取られた。


「…わあ」


 かと思えば、鋭い牙を備えた唇の両端が上がる。


「蛍ちゃん、可愛いねえ」

「…は?」

「なんだろう。俺、今とっても胸がきゅんってしたよ。なんだろうね? この感情。蛍ちゃんのその涙とその顔、もっと見たいなあって思っちゃった」

「……」

「わあ、すっごく冷たい目だね! 虫けらにでもなったような気分だよ!」

「虫けらを見てる気分です…」

「あははっ蛍ちゃんは冗談が上手だね!」

「冗談なんかじゃ…っ!?」

「驚かせてしまったお詫びに、たんと抱いてあげよう」

「っちょ、終わっ…!」

「終わってないよ。だって俺がまだ気持ちよくなっていないだろう?」

「ひぐ…っ?」

「うん、まだ奥までいけるね。ここ、気持ちいい」

「あ、は…!」


 逃げるように前へと体を倒す蛍を、そのまま床に膝立ちさせると、後ろから両手首を握り上半身を引き上げた。
 ぐ、とより深く繋がる互いの熱に、蛍の中もより奥まで貫かれる。
 空気は一度第三者により中断したものの、童磨自身は微塵も止める気がないようだ。

 そのまま腰を振り始める童磨に、ぱちり、ぱちゅりと愛液混じりの卑猥な音が響く。


「そ、れ…や…! ひ、あッ」

「声に艶が出てる。奥擦られるの、気持ちいい? ここ?」

「んあッぁあッ」

「ハァ…っいいよ、蛍ちゃん…っ俺も凄く気持ちいい…ッ」

「奥、も…っやぁ…ッ」


 もしまた誰かに聞かれたら。
 そんな恐怖は残るのに、熱に浮かされた体は簡単に根を上げてしまう。

 否定の声は弱々しく、喘ぎ声は高く。
 自分の意思とは異なる反応を示す体に、蛍はじんわりと視界を涙で濡らした。

/ 3624ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp