第4章 猫王子と球技大会
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放課後。
『よっしゃぁぁぁぁ!部活だぁぁぁぁぁ!』
奈央「えらいはりきってるやん。何かあるん?」
『よくぞ聞いてくれた、奈央さん!あのねー、あたしのGWの予定はねぇ、バレー部で合宿した後、東京に帰るんだ!』
奈央「東京?」
『うん!本当は部活あるんだけどね。中学のコーチから指導してくれって頼まれててさ、かわいい後輩のためだし?先輩からもバレーやるならいいよって許可も貰ったし!やば、あたしってば人気者…』
奈央「はいはい。そうかー、ほんならウチも暇になるなぁ」
『あり?部活は?』
奈央「もちろんあるで。ずっと合宿や。せやけど最終日だけは1日休みやってん。せやからと遊ぼ思てたのに」
『な、奈央ちゃんやぁぁぁぁぁ!ごめんなぁ!ほんまごめんなぁぁぁ!』
奈央「別にええよ!その代わり今度バーガー奢ってな」
『おうともよ!…ってなんで!?』
奈央「ははは!ほら、途中まで一緒に行くで」
奈央の隣を歩く。ごめんね、奈央。帰ったらたっぷり遊ぶからね!!!
奈央「…そのニヤニヤ笑うのやめぇや。気色悪いで」
『…辛辣』
そしてGWに突入した。厳しい合宿に耐え抜き、あたしは東京へ帰った。久しぶりにお父さんとお母さんに会うと、いろいろな感情が溢れ出た。泣きはしなかったけど。
久しぶりの我が家を満喫していると、スマフォが震えた。そこには猫王子と記されていた。
『もしもし王子?どーしたのかい?』
―「あぁ。犬は今東京にいるんだろう?」
『おう!奈央ちゃんに聞いた?』
―「あぁ。それで少し頼みがあってな」
『まじでか!王子があたしに頼みごと!?まじでか!ちょっと変な物でも食べたんじゃないd』
―「静かにしろ」
『久しぶりなのに冷たいなぁ!それで、頼みごとって何?』
赤司があたしに頼みごとなんて本当に珍しい。明日槍でも降るんじゃないの?
―「僕の元チームメイトが東京に3人いる。そいつらの様子を見に行ってくれないか」
『…は?』
―「だから様子を…」
『それは分かるわ!馬鹿にすんなよ!ってそういう事じゃなくて!』
あたしは電話ごしでも叫んだ。