第4章 猫王子と球技大会
"赤司、ちゃんと笑えるじゃん!いつもの作り笑いより、そっちの方がかっこいいよ!"
一気に笑いが収まった。それくらい衝撃な内容だった。僕は今どんな顔をして笑ってるんだろう。彼女にはどう映っているんろう。
もう一度を見ると、今度は別の変顔をしていた。これも不細工でまた笑えた。それは何回も続いた。
確かにの顔芸が面白くて笑っているが、多分それだけでこんなに笑っているわけではない。ここまで笑ったのは何年ぶりか。きっとその間の"つけ"が今来ているのだと思う。
そして授業は終わった。後半のノートは白紙だったがもはやどうでもいい。号令をかけ終わると、が僕の方を向いた。
『そんなに面白かった?』
「あぁ。どうやったら表情筋がそんなに動くのか教えてほしいね」
『王子も出来るよ!ていうかさ、文通してて思ったんだけど、あたし達ってお互いの連絡先知らないよね?ってことで交換しようぜ!』
まだいいとも言ってないのにはスマートフォンを取り出して操作していく。僕も指を動かしていく。
『じゃああたしから送信、っと…ビビビビビビ!入りました!ちゃんのアドレス注入しました!さ、次は赤司総隊長のをわたくしめに!』
「お前は何事も静かに出来ないのか」
『静かにする時はしますよーだ。お、来ました来ました!よし、登録完了っと。見て見て!王子のページ』
そこには赤司征十郎ではなく、猫王子という名前で登録された僕のアドレスがあった。それならば、と僕も画面をいじり、の登録名を犬平民に変える。
「ほら、これでいいか」
『別にこれにしてって言ったわけじゃないんだけどー。けど、なんかあたし達っぽくていいよね!ま、何かあったらいつでも連絡よこしなさい!』
男子「何や、アドレス交換?俺とも交換しようや!」
『ったく、しょうがないわねぇ。貴様のアドレスにを刻み込みやがれ!』
コイツはに好意を寄せていると言っていた。
『あり?どしたの王子?』
僕はにとって王子という存在であり、それが僕ととの関係。そしては僕の笑顔を分かってくれた。それだけで僕は、嬉しかった。