第5章 涙の温度
〈よくわかんないってば。
昨日のバイト帰りに変な奴に
連れ去られそうになったんだって
ま、助けられたみたいだけど
今日は青城くるまで迷うし…〉
連れ去られそう?聞いてねぇし!
そんな事より
「その姫凪を一人で帰したのか?」
何やってんだよ?
心配じゃねぇの?
〈用事あるって帰ったんだよ
何も出来ないでしょ〉
「…ま、そうだよな…(笑)」
放置もここまで来ると
笑けてくるな
〈兄ちゃん?〉
「悪ぃー。チョット用事思い出した
また今度そっち行くわー
じゃあな、蛍
お疲れさん」
お前がそのつもりなら
それで良い。
蚊帳の外でズットいじけてろ
姫凪を守るには
お前は役不足だよ、蛍
蛍の返事を聞かずに一方的に
電話を切った