第1章 最底辺だって、幸せは身近に
「雪菜さん、顔、赤いけど…」
「え?!そ、そうかな…」
思わず両手で顔を覆う。
その瞬間、チョロ松が笑った。
「ホント、まだ、夢みたいだ」
チョロ松が、頬を覆う私の手をそっと掴む。
「好きな人と一緒にいるだけで、こんなに幸せなんて、知らなかったな」
「…どうしたの?急に…」
「僕たちバカだからさーエロいことばっか考えてたけど、
正直今、こうしてるだけで十分なんだって思ってさ」
「あー…あいつら、酔ってなくても直球だったよね」
一緒に飲みに行っても、すぐ私に近寄ってきたっけ。