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第8章 空白の時間


柔らかく、優しく動く中也さんの舌にすぐに私の方がなすがままにされてしまって、結局はいつものように中也さんに散々堪能されて、それでも気持ちよくさせられて、唇を離して唾液を飲む。

『ん……っ、ちゅ、やさ…ぁ…………ッ』

「そう来るとは思ってなくてな…ちょっと余裕なくなりかけた」

髪をとくように指を髪に通して頭を撫でられる。
恥ずかしさも気持ちよさも全部全部ごちゃまぜにして中也さんの首元に顔を埋め、呼吸を整える。

「お前は何回言っても一人で結局戻るって聞かねえだろうから、ちょっとした罰のつもりだったが……本当、物覚えが良すぎるっつうのも考えもんだな」

『も、しないッ…こんなのしない、からぁっ……』

「お前が恥ずかしがりながらやってくれるっつうのも中々よかったんだがな?……まあ、結局自分でやってこういう反応してくれるのがやっぱいいんだが」

じゃあ最初からさせないでよ!!なんて心の中で突っ込みを入れるものの、中也さんにいいようにあやされてそんな気さえも起こらない。

「仕方なかったとはいえ前なんかお前に拒否られたんだからな俺……つか蝶、前よりなんつうかその…」

『……何』

「い、いや。気のせいなら気のせいでもいいんだがな?…今日はやけに素直に言うこと聞くよなと思ってよ。普段なら流石にそんな恥ずかしがるようなレベルの事までしねえだろうと…」

『…ち、中也さんがお預けとか、言うから…っ』

私の身体はここ数日間で更におかしくなってしまったんだ。
散々期待させられて、いっぱいいっぱい“お預け”されて。

相手が中也さんなのであれば、私がそれを我慢する必要なんて無いじゃない。
中也さんからやってみろって言われて、私の身体が動かないはずないじゃない。

「……お前、誰かに仕込まれたか?」

『仕込まれ…?』

「いや…やっぱ何でもねぇ。まあ、益々俺好みに育ってってくれてるって部分だけに関してはよしとするか…他に何かしてほしい事は」

疑問になっていないその言い方は、何かないか、ではなくて、言え、言ってくれというようにさえ聞こえた。
中也さん自身も、私が指輪をつけたまま位置情報を伝えるのが一番有効だと考えているからこそ、必死なのだろう。

私と同じで、早くちゃんとケリをつけないと、いつまで経っても一緒にい続けられないって分かってるから。

『んー…ギュッてするの…』
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