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第8章 空白の時間


『ん、ッ…ぅ……』

「………ッは、…いい顔」

『ひゃっ…』

キスが終わって、すぐに顔に手を添えてきたくせして、意地悪な事に指先で耳と首を刺激してくるこの人。

それでも大人しく刺激に耐えていれば、中也さんがフッと笑った気がした。

「あー可愛い…これで抵抗でもしてくれりゃぁやめてやれるもんもあんのになぁ?」

『…ッ、分かってる、くせにっ……にゃッ!?』

中也さんの指に首元を弄られたのが久しぶり過ぎてか、信じられないような声を発してしまって、少しの沈黙の後に両手で口元を押さえて中也さんの方を見た。

「………あー、蝶?…お前、今のは……って首振ったってダメだからな!?ちゃんと聴いたからな俺!!」

『き、気のせいッ!!』

「もうそれ認めてんじゃねえかお前!なんだよマジで猫みてぇ…んな首弱ぇ猫がいてたまるかってんだ」

頭を抱えるものの片手で頭をなでなでされ、結局いいように可愛がられてる気がして満更でもなくなってきた。

『……嫌い?』

「…いや、お前は大好物だ」

『!………中也さんにも印、付ける』

「は?……ッ、いや、蝶さん!?」

キスマークの事を思い出して、それなら私だって中也さんに付けてやると、中也さん症候群が変な方向に暴走し始めた。

中也さんのクロスタイを外してカッターシャツのボタンを少し開け、首元に抱きついてそのまま口付ける。
すると中也さんもそこまで首が強いわけではなかったのか、ピクリと身体を強ばらせた。

『…っん……?…ねえ中也さん、どうやって付けるの』

「お前……はぁ…………、普通にキスしたってつかねえよそりゃ。座ってやっから好きなように付けやがれ、さっき俺がした見たいにすりゃ出来んだろ」

中也さんの方が折れてくれて、呆れながらも向こうも嫌ではないらしく、ソファに腰掛けてくれた。

そしてそれを見て、ソファに片膝をついて中也さんのシャツの襟元を握り、なんだか恥ずかしくなりつつも中也さんの鎖骨あたりに口付ける。

『ん………ッ』

キスをしたところをペロリと舐めて、チウ、と恐る恐る吸ってからそこを確認する。
吸った瞬間に少し中也さんがまたピクリとしたような気がして、ゆっくりと目を開けた。

するとそこはほんのりと紅く染まっており、上手くついたのだということが確認出来、中也さんの手がポン、と私の頭に置かれる。

「満足か」
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