第26章 帰郷
『何よ、当たり前でしょう!?残念ながら今は中也さん大好きっ子でもあるけどね!とっととここから去れ、あんたは圏外!!』
「あ、あの蝶さん…?……もしかしてご友人か何かで?」
「あー…せやな、数時間前にこいつにプロポーズして玉砕した大親友様々や」
『な、…は…え…っ、?…あ、ああああんた何言って…ッ!!!?』
「「「な、っ…」」」
ショートした頭に、事の張本人が手を乗せる。
「まあ、あーんな信頼寄せた男がおったのは予想外やったけど?…恥ずかしいからってそない照れんでええやんけ、お前俺のことほんま好きやなぁ?」
『…、…死んでいい?』
「お前死なせたら俺が喜助と中也に殺されるからあかん」
『ぁ、あ…ぅ…、…』
高速で携帯端末を取り出して、SOSを発信する。
『も、もももももしもし中也さん!!?変態…っ、ド変態が追っかけて学校まで来た!!!助けて中也さん!!!』
「あ?お前さっき出たばっかで何を…ああ、その反応平子か?なら大丈夫だろ、仲良くしろよ」
『なんで!?中也さん、この馬鹿こっちに来てるの!!ねえ、連れて帰らせてよ!!?』
「無理だろ、浦原さん二時間きっちり作業するっつってたんだし…その間そいつ、帰れねえんじゃねえのか?」
『へ、?……あ、あんた…まさかそれ狙ってこっち来たんじゃ…ッ』
にい、と黒い笑みを浮かべるそいつに、携帯をぽとりと落とす。
「あー…まあ、何かあったら能力使えばい____」
「おお、中也。さっきぶりやな」
「___早くね?お前そんなに恥ずかしいのかこいつといるの?」
『あ、あう…あうぁ…ッ、……!!』
中也さん召喚。
私にはこれが限界だった。
「うわ、すごい。蝶ちゃんの語彙力が皆無になってる」
「つかなんだよこの状況、修羅場?」
「いや、ていうかさっきから誰なんだよあの人」
すぐさま中也の背中に隠れると、よしよしよし、とあやす様に撫でられ続ける。
『ち、ちちち中也さん…、あ、のね?あの馬鹿、い、いきなり現れて…っ』
「おー、軽くビビりまくってんなおい…お前こいつにストーカー紛いなことすんなよ、泣くぞこいつ?恥ずかしすぎて」
「一周まわって素直になるからその方がええんちゃうか?…のう、ち・よ?」
『ひ…っ!!!?蒼火墜…!!!!!!!』
「ぐっ、…は、………ッ」