第26章 帰郷
京楽さんの元に戻って挨拶をしてから急いで戻れば、もう日が昇ったあとだった。
とっくに休みも終わって、学校が始まってお昼になって…
『!!ご、ごめんなさい中也さん、こんなに長く…っ』
「お前こんな時にまで何謝ってんだ、ふざけんな…もっとしっかり廻ってきたってよかったくらいなんだぞ?」
『…ぁ、でもお仕事…それに、寝ないと』
「ほら、またお前心配してる…浦原さんだって言ってたじゃねえか?その我慢癖もしかして生まれつきか?……むこうでたらふく色々食わされたせいで腹も膨れてるし、とりあえずお前学校行ってこい。担任がそろそろ泣いてるだろうから」
『…うん、行ってくる!!』
扉を開いて椚ヶ丘中学校へ繋げ、そこに入って行く。
「おう、行ってこい!……あ?何か忘れてるような気が…?」
中也に明るく見送られて校舎へ急いで行けば、中也の予想通り、殺せんせーの泣き声が。
「ち、蝶さん……二日も音信不通で…先生もしかして嫌われて…っ」
『こ、殺せんせー!!ごめんなさい、連絡もできずに…ただいま帰還しました!!』
「あ、蝶ちゃん久しぶりに来……た、…?」
「にゅやああああああ蝶さん!!!先生もう反抗期かと思って自殺するくらいの勢いで…、?…おや、…なにやら珍しい格好をされていますね?」
カエデちゃんに続いて殺せんせーまでもがこちらを目を丸くして見る。
みんな揃ってどうしたんだろう…格好?
『珍しい格好って…?』
「き、着物…に、白衣…?なんかかっこいい…!」
『え…かっこいいって、いつも着て………あ、…』
「いつも?初めて見たけどそんな格好」
『………すみません殺せんせー、制服忘れてきちゃいました…癖で、つい』
「「「どんな癖だよ!!!!」」」
全員から入る突っ込みに、しかし殺せんせーは私の方へと暖かい眼差しを向けていた。
「…何やら着慣れている服なんですね?…どうでしょう、もういっそのこと、その服のまま登校されてみては」
『え…?…い、いや、でも私一応生徒の枠組みなのに…』
「浅野さんに許可さえ取れば大丈夫ですよ…大切な服なんでしょう?見ればわかります…貴女によく似合っている」
にこりと目を細めて、殺せんせーは笑ってくれた。
『ほ、本当…?…!そ、そう…私ね、さっきまでもとの世か「なぁに制服忘れてんねん、アホかお前?」…は?』
