第26章 帰郷
増・改築された技術開発局はは流石と言えるもので、マユリさん監修の元執り行われたであろうこの変わりように、一技術者としてはそわそわしてしまってたまらない。
『通信伝令室がバージョンアップしてる…!!!!!』
そして何よりもそこだ…通信伝令室の内装が、これまたとてつもなく技術者魂をくすぶるシンプルなかっこよさ。
「いやぁ、そんなに澪さんのテンションが上がるなんて…予想通りでした」
「この化学バカ…」
「通信伝令室…?」
「ここから主に地獄蝶を使用して、隊士達の位置情報をつかんで通信の制御をしたり…それから、敵と思わしきエネルギー反応なんかを検出して隊舎へと通達してるんです」
きらきらと目を輝かせながら隊士さん達に挨拶しつつ、色々と変化している機器やシステムに興味津々になる。
「まあ、澪さん見つけるためにって浦原さんが改造しまくりましたからね…あの時の隊長の張り合い方といったらもう」
「ははは…おかげさまですごい精度のものに仕上がっちゃいましたけどね。あ〜怖かったあの時の涅さん」
『えっ、何!?霊圧の解析でこんなデータ取れるようになったの!?しかもこっちなんか尸魂界の外だ!!!』
「……本人全く聞いてねぇけど?」
「いいんです、これもパパの宿命…っ」
「泣いてんじゃねぇか」
おーいおいおい、というどこか軽い泣き声にそちらを振り向けば、喜助さんが中也と真子に慰められていた。
そしてそこに阿近が近づいていく。
「しっかりしてくださいよ、初代局長?…あー面倒臭ぇ、ちっこい姐さん、なだめてやってくれません?」
本音全部撒き散らしたな、本人の目の前で。
『…これ喜助さんがつくったんでしょう?すごいなぁ、私のためにこんな事までしちゃうなんて~!さっすが私の喜助さんだねー!』
「生きてて良かったああああ…!!!!」
『中也中也、隊首室こっちだよ!』
「えっ、お前そこまでしてから見捨てんの?」
『暫くあのまま持続するから放っておいて大丈夫』
「たまに辛辣になるよなお前…」
何故か中也が喜助さんに手を合わせてから、こちらについてくる。
さあ、向かうは懐かしき隊首室…なのだが。
『…!…ああ、今日はやめとこう。多分疋殺地蔵の毒の成分調整してるから、今入ったら阿近と真子が死ぬ』
「そんで集中削いだとか言って終い目に実験台にされるやつだな」
