第26章 帰郷
「ああ、そういえば澪さん…黒崎さん達、もしかしたら今日こっちに来るかもしれませんが…どうしましょう?」
『…いたいっていうのが本音だけど、今回はやめとく。流石にあっちの時間が心配だし』
「そうですか…では、技術開発局には?って、中原さんの方が興味がおありなようですね」
…本当だ、興味津々に耳を傾けてる。
本当にわかりやすいよなぁこの人。
『…私の存在忘れられてたりして』
「死神の十数年なんて大したことありませんよ…」
『……そっか』
阿近とか…覚えてくれてるかなぁ…
…私よりもおっきくなっちゃったよなぁ、ほんと。
少ししみじみしつつも今度は中也の背中に乗せてもらって、喜助さんに頼まれて扉を作ることにした。
「おおお、これはこれは…まぁた綺麗になったんじゃないの?澪ちゃんの能力」
「いやいや京楽さん、澪さんが綺麗なのは能力だけじゃないんですよ?ほら、こんなに綺麗で『喜助さん、おいてくよ?』あ、行きます行きます!置いてかないで!?」
そして何故かそれに引き続きついてくる真子。
どれだけ離れたくないのやら…まあ嬉しくないこともないけれど。
扉をこえてからそれを消せば、十二番隊隊舎に到着だ。
しかし、癖で門の中に転移してしまったのが運の尽きだろうか。
“侵入者発見”____
鳴り響くアラートに、少し興奮し始める。
『わぁ、侵入者だって!このシステムまだ使ってたんだ!』
「何能天気なこと言うてんねん、俺らはええとして中也が危ないやつやろこれ…」
『え?手出させると思ってんの?』
集まってきた隊士達が臨戦態勢に入ったために能力を行使しようとするが、そこに現れる人物の声により、それは止められる。
「やめんか馬鹿共…ちっこいからってもう忘れたのかい?」
『マユリさん、ちっこいは余計』
「事実だろう…なんだい?そのちっこい隊長羽織り型白衣を返却しに来たのかネ」
『返却して欲しいの?』
「…いらないヨ、そんなの着れるような人間、ここにはいな「じゃあ私が着ます!マユリ様!」お前には着せん、絶対、未来永劫」
現れるのはちっこい…って、あれ?
『ち、ちっこいネムさん!!!』
「貴女は…!成程、マユリ様は澪さん相手にいつでも好きな時に戻って来てねっていうのが恥ずかしかったんですね!」
「貴様スプラッタにされたいか……」
『…へぇ〜』
