第26章 帰郷
「それもそう、だね…でも、心配しているんじゃないかい?」
『…夢の中でまた会えるよ。大丈夫、私とあの人だから…ゆっくりこっちにいられる時に、ちゃんと対話して会ってくる』
卍解習得…それに加えて、具現化を可能にするくらいには、お互いの中に絆がある。
きっと、分かってくれる…大丈夫。
「まあ、何かあれば僕が一発お見舞してやりますよ」
『喜助さんって意外と武闘派だもんね?』
「!…そうなのか?」
武闘派…という言葉にいち早く反応を示した中也。
『元々の所属は二番隊だし、収容所の看守なんかをしてた時期もあるくらいだよ。あんまり有名な話じゃないけど』
「そ、そうなのか…体術…」
『………喜助さん、あの目、どんな目に見える?』
「そうですねぇ…好戦的な澪さんそっくりです」
『中也、喜助さんは私の体術の基盤を作ってくれた人だよ。相手してくれるって!』
「えっ、僕そんなこと言ってな____」
キラキラとした目線を送る中也と、それにはしゃぐ私に何も言えなくなったのか、すんなりと喜助さんは折れてくれた。
「…暫く体は動かしてなかったんですけど?いいんですか?」
『いいのいいの、かっこいいとこ見せて喜助さん♡』
「ああ〜〜〜もうしょうがないなあ…負けちゃったら慰めてくれなきゃダメですよ?澪さん♡」
『うん、慰めてあげるね!多分喜助さん負けちゃうから♡』
私の一言に動揺する中也以外の三人。
「…澪ちゃんがそんなに言うほどの…?」
「……浦原さんがその手の手練であることは、私でも知っているくらいですよ?」
『なんていうんだろう…中也はそういうところの専門だから、仕方ないっていうか』
根本的なところから人間離れしてるわけだし。
それが無くても、多分体術単体なら…身体の強さも含めて、恐らく私が見てきた中で一番強い。
『喜助さんの強みはどちらかというとそっちじゃないでしょう?もちろん強いけど…能力まで使っちゃえば、夜一さんだってどうか分かんないよ?』
「「「!!!!」」」
「?褒められてんのはよく分かったが……とりあえずは能力無しだろ?」
『当たり前じゃない、喜助さん傷つけたら一週間口きかないからね?』
「分かった分かった、お前の大好きな浦原さんには傷一つつけねえよ」
『喜助さんもだよ?』
「あああくっそ…、くそ可愛いこいつマジで…!!」
