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第26章 帰郷


なんて軽く話しているうちに、黒装束の男が訪ねてくる。

「た、隊長…!!!」

「ん?なぁに?」

…にしても軽いなこの人、うちの首領より軽いんじゃないか?
良くいえば親しみやすいということなのだろうが。

「そ、それが…っ、各隊の隊長格…並びに席官の者達が一気に一番隊に押し寄せておりまして、隊首室へ通せと一斉に…」

「あー…それはまたすごい大人数になりそうだね、中でも血の気の多そうなのがいっぱいいそうだ。……うん、全員通していいよ。それからここ、間仕切り全部外してしまおっか」

「分かりました、それではすぐに通達し「俺が一番乗りじゃあああい!!!!!」っひいい!!!?」

黒色の蝶が見えたかと思えば、一瞬にして目の前に再び現れる平子。

「あー…うん、いいよ。これから多分すっごくうるさくなるから…逃げてて?七緒ちゃんも、なんなら移動しててもい「私がどうして移動するんですか、折角澪ちゃんがいるっていうのに」あ…熱入っちゃった?もしかして」

「ひ、平子…手前どこから現れて…」

「よぉ中也、さっきぶりやな!何、知り合い連れて一番隊に押しかけてただ「とっととどかんかい、邪魔じゃこのハゲ真子!!!!」ぶへ…ッッッ!!!!!」

ぶっ飛ばされる平子。
壁にめり込んでいるものの、それに驚きもしない京楽さん。

…蹴り飛ばされた?

「ウチの澪になにセクハラかましよんじゃ!!!…って、澪!そう、澪は!!!?」

背中に刀を背負った、赤いジャージが印象的な、明るい金髪を無造作に二つに上でまとめる女…というか、子供。
そばかすと八重歯と、関西弁が特に印象に残りそうな。

「…!あ?……お前…」

俺の方に目を向けて、こちらに近づいてくるそいつ。

しかしその言葉の続きを聞く前に、どんどん部屋の中に人が溢れていき、騒々しくなっていく。

「おおおおおい!!!澪が帰ってきたって本当かあ!!?勝負しろやああ!!!!」

「ちょっと、僕が先だよ!!!澪ちゃん、僕と久しぶりに、美しさの溢れる試合を!!!!!」

「てめえら、俺が先だ!!!!澪!!!竹刀と真剣両方あるぜ!勝負しようや!!!」

「全く、五月蝿い連中ダ…あの娘は私のもとで研究の続きをだね____」

「し、ず、か、に!!!!」

「「「……」」」

終わりの見えないざわめきに、京楽さんが終止符を打った。
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