第26章 帰郷
「皆澪ちゃん大好きなのは知ってるよ?僕も大好きだからね!!…けど、ここ今お客さんいるから」
「「「「あ…?」」」」
一斉に向けられる目。
それぞれ個性的な装いをした死神たちからの視線を受け、流石に俺でも少したじろいだ。
「い、いや、客っていうか…」
『ん…、うるさ…っ』
「!澪、起き『うっさいっつってんでしょうが…ッ!!!!!』ぶ、っっ!!!!!!」
先程瀕死状態だったはずの平子が復活して駆け寄ってきたかと思えば、蝶に殴って再び吹っ飛ばされる。
「…蝶?」
『ん、ッ…?…!中也さぁん…♡』
「「「……はああああああああ!!!!!!?」」」
とろんとした目で俺を捉え、ゆっくりと起き上がってから…俺の首元に腕を回して抱きついてくる蝶。
俺としては珍しくはない光景なのだが…
「起きたか?…ここ、今尸魂界なんだが」
『んん、っ…ふふ、冗談が上手ね中也は…そんなわけないじゃない、蝶は中也のところにいるんだから』
「お、おいおいおい…澪、お前抱きつく相手が違ぇだろ!?浦原さん泣くぞそんなことしてたら!!?」
『うるさいなぁ恋次、なんで私があんたに指図されなきゃならな…え、…?』
ようやく頭を覚醒させたのか、蝶の様子が変わる。
「恋次、澪が浦原を泣かせるのはいつものことだろう?それよりも私にもう少し澪を見せ…」
『ル、キア…も?……!ここ、一番隊の隊首室…!!』
バッ、と後ろを振り向いて…そこに座っていた京楽さんを視界に入れる。
そうすると、蝶にむけて京楽さんは、一言おかえり、と口にした。
『京楽、さん…?…七緒さんも……それに、皆…?』
「…お前が来たって知って駆けつけてきたらしいぜ?」
『!中也…な、なんで中也が尸魂界に……?…って、あれ?マユリさん、ネムさんは…』
「……お前には京楽隊長か、そこの保護者が説明するだろう。…それにしても、珍しい…どういう心境の変化かね、浦原以外の人間にそんなに懐いているだなんて…興味深い」
インパクトの強すぎる顔面の男…?がこちらに近づき、俺に顔を寄せてくる。
『あ、マユリさんダメだよ?中也は私のだから』
「…では浦原は?そろそろ私の実験材料にしても『だぁめ』その男がいるだろう?」
『喜助さんはダメ…生命力が無駄に強いバカ真子ならあげる』
「いらないヨ、あんな馬鹿は」