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第26章 帰郷


「な、なんや…四楓院のところとそういう関係なんかと思ったら…」

『ね、私にそんなこと言うくせしてイチャイチャしてるから』

「お前心なしか俺に対してよりも嫉妬深くないかそれ?」

『…まあ、私と喜助さんは人に言えないような関係だから?』

「昔っからそればっかりで結局はぐらかすやんけ……中也と喜助ならどうやねんそれ」

そこと比べられると痛いなぁ…
なんて言いながら、困ったように顔を歪める。

『…澪なら喜助さんを選んでただろうけど、どうだろうね…今の私は白石 蝶だから』

「!…そういやお前、名前…付けてもらったんやっけ?……地獄蝶から自分で取ったんかと思ってたけど、そうじゃなかったみたいで驚いたで」

『ネーミングセンスあるでしょ、あの人。…ああ、別に呼ぶ時にこれからわざわざ意識して変えてくれなくてもいいからね?真子に蝶とか呼ばれたって気持ち悪いし』

「この女はほんま…、……そういや髪伸ばしてるんやな。そこまで伸ばしたの初めてちゃうんか?」

『…誰かさんと同じくらいまで伸ばしただけよ?』

「誰かさんて、一体誰のこ………」

言いかけて気が付いたのだろうか。

中也に綺麗だって言われて、嬉しかったから。
だから伸ばそうって…“あんな風に”、綺麗な髪になれたらなって。

『まあ、私はどこぞのドストレートさんと違って先がくるってなっちゃったけど』

「…そういうとこやで…お前振られた男相手にんなこと言う奴があるか?」

『…あんたほど綺麗な髪の毛見たことないわよ』

まあ、髪型は綺麗すぎるくらいに整ってるけど。
なんてからかったのも見透かされたのか、頭の飾りに触れられる。

「髪、下ろしてええ?」

『ダメ。どうせまた尸魂界にお邪魔するんだから…この髪解いたらビンタする』

「まぁた中也絡みかい、わかったわかった……にしても似合うな、サイドアップ。なんで今までせんかったん?自然すぎて最早違和感無いわ」

『中也の好み。…前のは、喜助さんの好み』

そういえば髪型に関しては、途中からマユリさんが専属でいじってくれてたなぁ、なんて。

「…俺の好みは下ろしてくれてるのが……なんならミディアムくらいもええと思うで?」

『ごめんね、普段から下ろしたら変な虫がつくって更に過保護になっちゃうの』

「俺みたいなな?」

『うん、変な虫』

「否定せんのかい」
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