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第25章 収束への旅路


「悪いが、俺は手加減するのが苦手なんだよ…んで?まだ言わねぇ?」

「…い、わな…ッ…ああ゛っ!!!!!」

関節が変な曲がり方をし始める。

ためらいもないその手腕はまさにポートマフィアの幹部そのもの。

「…お前よくこんな光景見てられんな?俺でもヒヤヒヤするぜ?」

『……綺麗』

「ははっ、…イカレてやがる…」

苦笑いで私に返す立原を他所に、容赦のない彼の動き一つ一つに感動さえ覚えさせられる。

こんなにも一方的な暴力なのに…相手は女性なのに。
それでも、全然怖くない。

そんな強さが、美しいとさえ感じてしまう。

「…あと残ってる関節…指と肩くらいじゃねえの?…流石に首をやると話せなくなるからしねえけど……一つ情報を吐くだけだ。何がそんなに難しい?」

「…ッ、……言った、ら…殺され…ッ」

「今の扱いでもそれが言えるって、大概な野郎だな手前のボスも…立原!!手前蝶の目と耳塞いでろ!!!」

言われて遮られる視界に、塞がれる耳。

しかし私の感覚の敏感さは、この程度じゃあ集中力次第でどうとでもなる。

立原の手の前に扉を作って覗かせてしまえば、全てを見ることができるのだから。

なんて覗いた瞬間のこと。

衣服を乱暴に剥がれた相手が悲鳴を上げる隙もなく、脇腹がナイフで切りつけられる。
返り血を少し頬に浴びた気がしたが、それでもゾクッとした。

こんな中也さん、見たことない。
女の人相手に、こんな…

「……このまま直に内蔵撫でてやってもいいんだぜ?」

「ひぃ、!!!?ッあ゛あ゛っっ、〜〜〜〜〜!!!!!!!?」

見事なまでに洗練された動き。

…手慣れた動きだ、多分私が知らないだけで、この人は何度も…

「…なんなら手前の卵巣が使い物にならねぇくらいに使い込んでやってもいいんだぜ…何人も集めて回してやっても」

「!!!!!!!?い、言います…っ、言います!!!!だからそれだけは!!!!!!」

グリグリと踏みつけていた腹部から足を退け、首を掴んで殺気を飛ばす。

…本物だ、本物の中也さんだ。
やっぱり、私がされたのなんかとは全然違う。

しかし女の口から放たれたのは、よく知った人物の名前だった。

____柳沢…ッ

実験の一環だと、口にした。

「…立原、こいつはとりあえずうちで監視しておく。俺の独断だ、首領には俺が許可を取る」

「は、はい!!」
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