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第25章 収束への旅路


「ち、ちちち蝶ちゃん!!?何!?どうしたの!!?」

『…何も思いつかなかったから、とりあえず中也さんが好きかなって思って』

「か、“看板娘”…っ!!!…いや、けどバレンタインまでまだ日にちあるぞ!!?」

『何したらいいかわかんないから、いいの。三日間あげるから』

白石蝶を、そのままあげる。
チョコやお菓子は、ついででいい。

私の持ってるもの、全部あげるの。

「……にしても、六歳児にキスマークついてるのはなんていうか…犯罪臭がさらに増すっていうか…」

『…中也さんに言っちゃお』

「やめてくれ一生のお願いだ!!!!!」

一瞬で返してきた岡島君。
しかし私は、彼を含めた一部の男子には少し思うところがある。

『何よ、白石呼びしすぎて蝶って呼んでくれないくせに…』

「「「……え?」」」

『…みんな私が苗字変えてから、ちゃんと蝶って呼んでくれるのに…岡島君とか前原君とか寺坂組のみんなとか、全然蝶って呼んでくれないの。…そんなに呼びにくいなら中原って呼べばいいのに』

ギクッとした一部の男子勢。

ああ、やっぱりこっちの身体なら言いやすい。

「い、いや…中原、はちょっと……中也さんいる時に呼びにくいしな?」

「かといって白石って呼ぶのはあれだろ?……そ、そんなに嫌だったのかよ…」

『……蝶って呼んでくれないの?』

「「「呼びますとも蝶さん!!!!!」」」

呼んでくれたことにぱあっと目の前が明るくなって、思わず頬が緩む。

『…えへへ…よろしいのです』

「あの生き物何?天使?」

「知らなかったのか?大天使蝶さんだぞ…ツンデレなくなってデレデレになってんだよ」

「なるほど、理解した……これ、中也さん三日も大丈夫か?」

「「「無理だろ…」」」

周りへの掴みは上々っぽい。

…いけるかな?
うん、まあ中也の親バカ度合いにかけてみよう。

授業と暗殺訓練を終えてからまずは首領の元へ行き、それから着せ替え人形にされ…

本人曰く中也好みだというワンピースに身を包まされてから、彼の執務室目指して歩いていく。

途中に感じる目線は多かったものの、どれも決して嫌なものじゃない。
彼の執務室に到着して、それから中に入ろうとノックを仕掛けて…そんなところで、中から女性の気配を感じた。

『…一対一…?なんで…?』

無理矢理ロックを解除して中に入る。
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