第25章 収束への旅路
「今日は具合が悪そうですねぇ蝶さん?風邪がまだ治っていないのですか?」
『ん〜……違うの…』
「違うったって、すごい頭痛そうにしてるけど?…お腹も何か痛そうだし」
朝から机に項垂れるように突っ伏していれば、それを心配して声をかけてくる殺せんせーとカルマ。
いや、今回ばかりは心配かけるのも悪いけど…どうしようもない、これは。
自業自得…も確かだけれど、中也は中也で本当にどうしたのやら。
『違うの……ただの二日酔い』
「「「「飲んだのかよ!!!!」」」」
『飲んだのかよって…なんならマフィア時代にも飲んでたわよ』
「…まあ、蝶さんも女性……ですしねぇ。…身体に悪影響はあまりないのですか?」
『…そのへんはいいようにできてるから、この身体』
逆に言えば、姿勢を変えると起こる腹痛と腰痛は、害悪ではなかったもの…私が自ら受け入れたもの。
つまりは……そういうことになる。
「誰だよ酒飲ませたの…」
『自分で飲んだ』
「自分でかよ!!…よくそれで中也さんが許可したな」
『中也にも飲ませた』
「あの人酒飲むのかよ…」
なんなら私よりもお酒好きだもの、あの人。
…しかしこの下腹部の痛みはおかしい。
酔ってたからってそんなにする?…いや、するか中也なら。
クッション敷いてなかったか、しすぎたか…しすぎたか。
まあ、そういうことなら嫌いじゃないけど。
『二日酔いで学校行けないとかあほらしすぎるから気合で乗り切る』
「男前だね蝶?……で?なんでそんなにまぁた増えてんの?キスマーク」
『へ?増えて…っ、増えてっ!!!!!?、たぁ…ッ』
気が付かなかったために確認しようと身体を起こしたら、痛みが来てまた机に突っ伏す。
「…もしかして記憶無し?」
『……途中から無い』
「あ〜…中也さんって確信犯なのか分からねえよなこういう時」
『…多分、半分は私のお願いで、半分はあの人がやりすぎただけ』
要するにどっこいどっこい。
つまりはあれだ。
『利害が一致するだけならまだしも、多分中也はそれで好きなようにしちゃうから…カルマ、ちなみに聞くけどどこについてる?』
「とりあえず首だけでも何ヶ所か…あと長袖であんまり見えないけど腕にも」
『あの人の好きそうなところだわ…』
恐らく脚とお腹がえげつないことになってるな。
…嫌いじゃないけど。
