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第20章 家族というもの


『ねえねえ立原!!カップケーキの提案したのが立原って本当!?』

「ああ!?んなわけあるか、んなもん中原さんが毎度の如くお前のために『中也が言ってたよ、立原が思いついたって!』んなッ!!?なんでバラして…!!」

「お陰様で蝶が幸せだぞ立原。よかったなあ横浜の親友よ、手前の親友がご満悦だ」

「中原さんまでなんでそんな嬉しそうなんすか!?」

「……あーあー、うるさいのが出てきちゃっ「んだと手め…!……どうも」…おや?保護者らしい事も出来るんだね君?」

馬鹿にしてんじゃねえぞこの自殺愛好家!!!

なんて怒声が響くのに渚君のお母さんの目が点になる。
しかしまあ、ポートマフィアの五大幹部様が面白い事をするものだ。

父母会とかあったらさぞかし間抜けな面をするのだろうな。

「ど、どうも…潮田渚の母です。渚……と、太宰さんからお話はうかがっています。そんなにお若いのに立派ですね…」

「立派って…これでもつい昨日、怒らせてしまったばかりなんですよあいつの事。最近じゃあもう俺の方がやらかしてばかりで」

「やらかして…?蝶ちゃん凄く幸せそうなのに」

「………どうも、他の…特に女子生徒なんかと話してばかりいると寂しがり屋が悪化するみたいで」

「…ぷっ…」

思わず吹き出した渚君のお母様。
まあ、そうもなるか。

第一印象が大人びていて、なんだか年上や大人からしてみたら生意気にも見えてしまうような。
そんな、反感を買ってしまうような…それも羨まれる程の容姿や才能を持ち合わせてしまうような子が。

年相応に、可愛らしい事にやきもちなんて妬いてしまうのだから。

「あ、すみません…想像があまりつかなくてつい……」

「…あんまり人前じゃ見せてくれませんからね、そういう子供らしいところ。……元の育ちの環境が環境で、最近でも甘えてくれない時も多くて…潮田さんにもいつもお世話になっています、今後ともよろしくしていただけるとあいつも嬉しいです。よろしくお願いします」

深く腰を折ってから、それにこちらこそ、と潮田さんからも返答があって、話は終わる。
中也の性格上、あまり話を長引かせたくはないらしい。

「…なんていうか意外ですね、白石さんのはなしなのにあんなにあっさり……」

「え?そうなの?」

「まあまあ渚君…あいつはほら、親馬鹿だから。本人に構いに行きたい習性なのだよ」
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