第15章 タイガーリリー
「なんでもない…」
そう…なんでもない
あんなことはなんでもない
でもね和也
俺はお前のこと許さない
「今日、迎え何時だっけ?」
「8時」
「そっか…じゃあ、飯食いたい」
「わかった。軽く作るから、新聞でも読んで待っててよ」
俺の頬を手のひらが包んだ。
「和也…?」
「ん…?」
「愛してるよ…」
「翔…俺も…」
ぎゅっと俺に抱きついてくる、この小さな背中。
俺はお前にプレゼントするよ…
俺から離れられないよう
一生思い出してやらない
それが、お前の贖罪だ
「翔、できたよー」
「おう」
食卓に並ぶ朝食は、簡単ではあるけど美味しそうだった。
「もう荷物準備できてるよね?」
「ああ」
「忘れ物ないよね?」
「お前、あの荷物だぞ…なんか忘れててももうわからん」
「だよねー…なに入ってんの?あのスーツケース3つ…」
「色々だ」
「ふうん…?」
俺の荷物の半分くらいしか、和也は準備してなかった。
「逆にお前の荷物って何が入ってんの?」
「色々だよ」
「ふうん…」
朝食を食べ終わって、身支度をしたらちょうどいい時間になってた。