第15章 タイガーリリー
「おはよう、翔」
「ん…」
朝の光が、遮光カーテンの隙間から差し込んでいる。
和也が俺の顔をベッドに座って覗き込んでる。
「いい天気だよ、今日」
「そうみたいだね…」
まどろむ俺の前髪をさらさらと和也の指が撫でていく。
「さ…起きようか」
「ああ…何時?」
「6時」
「まだ早いじゃん…」
和也の手を握ってベッドに押し倒した。
「もう…ご飯…」
「そんなの後でいいよ」
ぎゅっと抱きしめて、唇を重ねる。
「ん…?翔…?」
「和也…」
「どうしたの?」
「なにが?」
「泣いてる…」
ぽたりと和也の顔に涙が溢れた。
「どうしたの…ねえ…」
「わかんない…」
愛おしかった
「和也もキスしてよ」
「ん…」
和也は俺の首に腕を回して引き寄せた。
ちゅっと薄い唇を重ねると、微笑んだ。
「悲しい夢でもみた?」
「ううん…そんなことない」
「じゃあどうしたの…」
親指で俺の涙を拭うと、そっと俺を抱きしめた。
「泣かないで…翔…」
悲しいわけじゃないのに、涙が自然と溢れた。
嗚咽じゃない。
なんなんだろう…
ぽたりとまた、涙が和也の肩に溢れた。