第15章 タイガーリリー
小さなパーキングエリアに停まって、暫くタバコをふかした。
ニノは黙って外を眺めてる。
「悪かった…」
街灯が少なく、ちょっと寂れたパーキングエリア。
深夜だからか、停まってる車は少ない。
パーキングの隅の方に陣取って、俺達は話し始めた。
紫煙が車内を揺蕩う。
ニノが少し窓を開けると紫煙はぐにゃりと歪んだ。
「ニノ…聞かせてよ…」
「…なにを?」
「さっきの話」
「だから話すことなんてないよ…彼女と付き合った、けど、余計な証拠残すようなことしたから別れた。それだけだよ」
「でも…」
「嵐には、迷惑かけた。それは謝る。けど、翔ちゃんには個人的に迷惑かけてないだろ?」
「そうじゃなくて…」
「好きなやつも!別に居ない!」
「ニノ…」
「これでいい?さ、話は終わり。早く送って」
有無を言わせない言い方だった。
「ニノ、俺は…」
頑なに、ニノはこちらを向こうとしなかった。
「聞きたくない」
「ニノ」
「何も、話したくない」
こんなに拒絶されるのは初めてだった。
諦めて車を出した。
首都高から降りると、ニノの指示でマンションの近くまで送った。
ニノはすぐに俺に背を向けてあるき始めた。
一度も、振り返ることはなかった。