第15章 タイガーリリー
ニノの後ろ姿を追いながら心臓が高鳴った。
好きなやつって…
もしかして…
「待てよ!ニノ!」
その時楽屋の扉が開いて、ニノのマネが入ってきた。
「お疲れ様です…」
俺とニノの空気がおかしいのをすぐに察知して、声が小さくなる。
「あの…二宮さんに車…」
「俺が送るから、車帰して」
「えっ…」
「ちょっと翔ちゃん!」
「いいから来いよ」
ニノの荷物をひったくって、自分の荷物を取った。
そのままニノを引きずるように楽屋を出た。
外で待っていたスタッフさんたちに挨拶しながら、エレベーターに乗り込むと、ニノが腕を振りほどいた。
「何勝手なことしてんだよっ」
「こうでもしないと話してくれないだろうが」
「なんの話だよ…別に俺は話すことなんてないよ」
こっちを見ないニノの肩を壁に突き飛ばした。
そのまま追い詰めて、壁にニノの腕を押し付けた。
「…俺にはあるんだよ…」
「翔ちゃん…」
地下駐車場について、ニノの腕を引っ張って助手席に押し込めた。
そのまま車を出して局を後にした。
すぐに首都高に乗って、宛もなく走り出した。
「どこいくのよ…」
それには答えないで、アクセルを深く踏み込んだ。