第15章 タイガーリリー
ヘッドホンを耳に挿して、ゴロンと横になる。
ソロの曲を聞きながら、振りを頭のなかで一通りやってみる。
ちょっとまだお腹が痛かったから、その作業に没頭した。
暫くしたらウトウトしたみたくて。
いつの間にか身体の下にプレイヤーを敷いていた。
「あ、やべ…」
身体を起こした瞬間、聞こえてきたのは二年前の俺のソロ曲だった。
どこかボタンを押してしまったらしい。
ああ…懐かしいな…
ある意味、この曲は俺と和也を結びつけてくれた曲で…
ヘッドホンを分け合ってこの曲を繰り返し聴いた日を思い出した。
思わず目を閉じて曲に聞き入る。
どこのフォルダを開けてしまったのか、まさにあの時聴いていた仮歌が流れていた。
「あっ…」
急に頭の中心にチリっとした痛みが走った。
「やばい…」
これは激しく痛むだろうっていう前兆…
ゆっくりと身体を起こした。
ソファから立ち上がろうとするけど、足に力が入らない。
マネージャーに電話して病院…
そう思ってスマホに手を伸ばした瞬間、激痛が来た。
「あああっ…」
思わず頭を押さえて蹲ってしまう。
痛む頭を両手で挟み込むようにするけど、なんの効果もなかった。
そのうち目の前がチカチカしてきて…
目の前が真っ白になった